photo is 〜あなたにとって大切な瞬間〜

スタジオタカノ 服部企画として本日から『photo is 〜 あなたにとって大切な瞬間 〜 』という連載企画を始めようと思います。


私たちスタジオタカノは学校撮影や家族写真を業務としており、常に写真と向き合い続けている会社です。

ですが、私自身として日々写真を撮影していると写真1枚1枚の重みや、瞬間を切り取っている大切さを失っていると感じる事があり、この連載企画を通して写真の持っている力や、個人が感じている写真の力、写真から見えるその人の人柄や生き方などを、この企画を通して知る事が出来たら自分にとってプラスになり、この企画を読んだ人にとっても写真を見返す機会や、今後の人生にとって何か+になるのではないかと思い、この企画を始めることにしました。

+になるものは何か、それは皆違うと思います。

この連載を通して一緒に+を見つけていければいいなと思います。

私はインタビュー自体も初めて、文字に起こすことも初めてなので、お見苦しい点が多々あると思いますが温かい目で見守って頂けると幸いです。


まずは写真に身近なスタジオタカノのスタッフを対象にインタビューを行っていこうと思います。


第1弾はスタジオタカノに入社して17年程になる進藤さんにインタビューをしました。


服部(以下H): 記念する第1回目は進藤さんです!宜しくお願いします!

進藤(以下S): 宜しくお願いします、進藤弦です。

H:では、さっそくですが進藤さんの写真を見せて下さい。

S:かしこまりました!どうぞ見て下さい!


H:これはどういう写真ですか?

S:これは自分の子供の写真ですね。

H:お子様は何人いるんですか?

S:子供は2人で、今写っているのは長女ですね。

H:長女の何歳の時の写真ですか?

S:3歳、、、幼稚園上がるか上がらないかという時だと思うんで、、、3歳ぐらいだと思うんですけど。

H:この写真を選んだ理由って何かあるんでしょうか?

S:まあ、単純に言えば構図とかも凄く良くて光の入り方もコントラストが強くて、自分の子供がやっている作業自体も、なんて言うんですかね、昭和っぽいと言えばいいのか、汚らしいと言えばいいのか、、、普段は可愛く撮ったりすることが多いんだけど、どっちかというと汚い感じの写真で、この写真を撮るまでには時間がかかってる。

子供がその作業をしているのをずっと眺めながら良い光の感じがあった時に撮っています。

H:この写真はそのシーンを撮った何枚かの1枚ですか?

S:これはローライというフィルムカメラで撮っていて12枚しかフィルムが撮れなくて、このカメラは上から覗いて撮るカメラなので待つ事も楽しくて、1カットをおさえることを楽しむカメラ。なので、このシュチュエーションの写真はこの1枚しかないです。

H:なんでローライのフィルムカメラで撮ろうと思ったんですか?

S:単純に趣味だから、写真を撮る時間とか一連の作業が好きですね。カメラで楽しむという感じ。

H:この写真を進藤さんが持ってきたのは意外でしたね。私は子供が2人写っている写真か家族の写真だと思ったので、構図とか雰囲気で選んだ写真というのは意外でした。

S:自分の写真の特徴は一度こういう写真を見て、半年か5年後か10年後か何年後でもいいんだけど、ふいに思い出しちゃう写真を撮るみたいなんだよね。

前に友達の子供がチョコレートを食べているところの写真を撮ってプレゼントしたことがあるんだけど、けして綺麗な写真ではないんだけど忘れられない写真を撮るというか、写真を見た人が思い出としてその写真の一部が急に浮かび出てくるみたいなんだよね。

僕もどんな写真かちゃんと覚えているんだけど、見た人が忘れられない写真を撮るみたいで、、、

H:この写真に特徴はありますよね。普通の日常じゃないというか。

S:比率が正方形のカメラだからまっすぐは意識して、その中に乱雑な物を取り入れてるという感じ。

H:私だったらこの写っているゴミ袋は絶対気になるので写らないように移動させるんですけど、進藤さんの場合はこれも良いっていうことであえて写っているんですよね?

S:そうそう、その時はずっと子供の側にいてカメラをぶら下げているんだけど、

写真を撮ろうという気持ちになる前に子供の作業を見て、段々後ろの背景とそこにある全ての物が写真になっていくというか、撮りたくなるというか。

H:私がこの企画の話しをした時にすぐこの写真にしよう!と思いましたか?

S:そうだね、うん、もうそれしかないよね。

過去のもので勿論良いのはあるけど、ある程度の終着地点で結構良い作品だと思うんだよね。自分の奥さんには何でそんな写真持って行くの?!って言われたけどね(笑)

H:たぶん普通の人はそう思いますよね。

S:そうだよね、でも俺はこの写真しかないんだよね。

偶然撮れた写真でも良いのもあったりするんだけど、この企画を聞いた時にそうじゃないなって思ったんだよね。自分が考えて時間をかけて撮った写真がいいのかなと思って。

H:普段から撮るタイミングを待つ事はあるんですか?

S:普段は待つというより、いいなって思う時に撮るぐらいかな。撮ってるうちにアドレナリンが段々と上がってくる感じ。

ここでシャッターを押すかどうかもその時のシュチュエーションによるし、それがちょっとでも撮りたいと思わなければ撮らない。

この写真を撮った時はその時を待って撮ったし、カメラ自体も良いカメラだから現像された写真を見た時も、良い写真が撮れたと思った。

僕の写真は急に思い出の断片になるみたいで、この写真を見た服部さんも何年後かにこの写真がパッと浮かび上がってくると思う。

H:じゃあ、進藤さんの写真の力はパッと人が思い起こせる写真が撮れるっていうことなんですね。

進藤さんが写真を始めたきっかけは何ですか?

S:元々はビデオから始めて、おばあちゃん子だったからおばあちゃんを追いかけて撮ってた。小学校の頃おばあちゃんの掃除したり働いている姿をストーカーのように撮ってた(笑)

そこから親父のフィルムカメラを借りて撮ってたね。

だけどちゃんと写真を撮りだしたのは18歳ぐらいの時からで、元々映像が好きだったから、自然の写真というよりはアートっぽい演出された写真を撮ってた。

映像は好きすぎて後先考えない危険な感じがして、やり続けている自分は怖いなと思った。寝る事とか何もかも忘れるような感覚だから逃げなのかもしれないけど、大好きというものよりは少し外れた写真の方がいいのかなと思った。

単純に一番好きな人と結婚しちゃいけないのかなと思った(笑)

好きになっちゃうと見えなくなるから、2番目の方が平和だし幸せになれるんじゃないかなという思いは凄くあった。

好きになると何でも相手に与えて自分の心や体までがボロボロになっちゃんじゃないかっていう気持ちになった。

H:今でも映像をやりたいなという気持ちはありますか?

S:まぁ、やりたいけどねえ、やりたいけど、、、ただ難しいところだね、、、

H:なるほど、では今後進藤さんが撮ってみたい写真はありますか?

S:町並みを撮っていこうとは思っている。

テーマとしては大学生が一人暮らしをしているような目線の写真を撮りたい。

一人暮らしの大学生とかが通るような道とか、買い物するスーパーとかを探索して、一人暮らしで生活を始めて、この駅を拠点にしている人はどういう生活をしているのかイメージをして、どういう風景が残っているのか写真を撮って、それを各駅ごとに撮っていきたい。

西武新宿線だったら、花小金井駅、次は小平駅みたいな感じで。

自分が大学生に戻ったような気持ちでね。勝手に妄想して撮って駅ごとに作っていくようなイメージ。

あとは、空気感のある写真が撮りたい。

夏にビールに付いた水滴とか、目に見えてはいるんだけど、温度の違いがあるのを感じさせたいというか。

芸術面とかデザイン面とかは意識しないようにしていて、構図だけが全てだと思うから、あとは一つの作品の温度差を写真に出していきたい。

H:この見せてくれた写真も温度差は感じるかもしれないですね。

日常の掃除の風景を撮っているんだけど、構図と光の入り方を考えて、構えて写真を撮った計算された写真ですよね。

写っている娘さんも笑っているわけではなくピースしているけど印象に残りやすい写真かなと思います。

S:うん、考えて撮った写真を持ってきたね。最初からこの写真を持っていこうって。たぶん最近では一番のお気に入りの写真なんだろうね。

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